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専業トレーダー DaTsU

通い相場・保ち合い相場

ちょうど今の相場のように保ち合い相場というのは抜けるかと思えばまた保
ち合いとなったり、保ち合いの水準が変わったり、売買をするのも簡単なよう
で、なかなか難しいものです。こういった保ち合い相場の時の心構え対処方法
を述べているところを集めて見ました。


 極意は毎日の相場に気を付け、米の通いを以って売買すべきなり。右の通い
運びと申すは秘伝なり。この見様、黒白の違いあり。一毛違うて千里をする心、
第一なり。
 「相場で儲ける極意は毎日の相場の方向を良く見て、保ち合い相場(ボック
ス相場=いったりきたり狭い範囲で動く相場)をうまく乗り切ることです。保
ち合いと放れ(上に抜ける動きと下に抜ける動き)を見分けることが出来れば
秘伝とされるくらいのことです。この保ち合いの見極めがしっかり出来るかど
うかは黒と白との違いくらい違うものです。たった少しの差であると思ってい
てもいつのまにか大きな差になってくるもので心しておかなければなりませ
ん。」
 と言う意味合いですが、ここで言いたいのは保ち合い相場を見極めることが
非常に大変なことで、しかもとても大切なことである、といっているのです。
保ち合いが放れたと思うといわゆる「ダマシ」となってしまい、高値掴みをす
るケースとか逆にまた保ち合いだろうと思って売りに出すと一気に上値追いと
なってしまったり、とうまくいかないことが多いのです。しっかりと出来高や
保ち合いの期間などを考えて、見極めたいものです。そのためにも以下の言葉
をよく考えておくことが重要になってきます。


 通い相場などにて、四五百両も売りつけ置き、二十俵方も利分付き候時的へ
当たると心得売り込むことあり、大いに心得違いなり。通いの高下は十、二十
俵のものに候えば、十俵から二十俵の高下、早く見切り取り留まるものなり。
売り買いをうらやましく思うべからず。
 「保ち合い相場と思って400~500両も(十分大きな金額と考えておいてくだ
さい)売っておいたものが20俵くらい(これも『十分な量』と考えておいて下
さい)利が乗ってきたときに自分の思惑が当たったと思って保ち合い相場であ
ることを忘れ、調子に乗ってさらに売り込むことがありますが大きな間違いと
なります。保ち合い相場の上下は思ったよりも10俵~20俵で十分ということも
多く、早めに利益を出しておいてもいいのではないかと思います。売った後上
がることや買い戻した後下がることを悔しがってはいけないのです。」
 当初の「保ち合い相場」として売ったり買ったりしたものが利が乗って来た
ものだからと相場の動きを良く見極めずに自分の都合で勝手に「下に放れるは
ずである」と売り乗せたり、「ここは上に抜けるのだろう」と思い込んで買い
増すようなことをしてしまうことがあります。そういったときでもじっくりと
「本当に抜けるのか」をみてからでも遅くはなく、とりあえず当初の予定通り、
保ち合い相場として利益を確定しておくのが正解と言えるでしょう。次の上昇
相場や下降相場が始まったとすればそこから、買っても、売ってもしっかりと
儲かるものなので、保ち合い相場はしっかりと利益を確保した方がいいのでは
ないかということを言っています。


 相場、二三ヵ月保ち合う時は十人が八、九人まで売り方に向くものなり。そ
の後極めて上がるものなり。但し、登り詰め、百俵上げ位にて保ち合う米は下
げ相場と心得べし。
 「2~3ヶ月も保ち合い相場が続くとほとんどの人がそろそろ下がるのではな
いかと思うものですが、そういったときこそ上がるものなのです。ただ、十分
に上昇した後の相場で高値保ち合いとなっているものはさすがに下がることが
多いものです。」
 相場も保ち合いが長くなると我慢しきれずに売ってしまう人も多く出てきま
す。ただ、そういった我慢し切れなかった人が売り終わったところではそれ以
上売る人もいなくなり相場は上がるものなのです。ただ、十分に上昇をしたあ
との相場は「天井3日、底百日」と言われるように少しでも上昇が止まると我
先にと売りを出し、大きく下がることがあります。保ち合いが長引くのかそれ
とも瞬間的な(?)保ち合いに終わるのかを見極めることも保ち合いのレンジ
を見極めることと同様に大切なことと言えそうです。

 通いの高下は、十俵高下を的にして、手早に見切ること第一なり。
 「保ち合い相場は十俵程度の上下を目標として早めに手仕舞うことが一番で
す。」
 保ち合いの相場というのはあまり欲張らずに目標をたて、早めに手仕舞うこ
とが大切なのです。また、保ち合い相場と考えて上下のレンジを決めて売買し
たときに逆にレンジを抜けてしまった時も「そのうちまたもとのレンジに戻る
だろう」と思っていても早めに見切ってしまうのが正解となるケースが多いよ
うです。


 もうはまだなり。まだはもうなりということあり。但し、数日もはや時分と
思い取りかかるに、見計らい悪しければ間違いになるなり。まだまだと見合わ
せおる内に遅るることあり。
 「もう買い場だろうと思うときはまだまだ下がり、まだ買い場とはならない
だろうなと思っているときはもう上がってしまう、ということが良くあります。
ただ、数日間考えてもういいところだろうと思って、買いに出ても見込みが悪
いと間違いになり、まだ上がらないだろうと思って見ているうちにどんどん上
がってしまって、買い遅れるということになるのです。
 これは有名な言葉でよく言われることばです。ただ、改めて見直して見ると、
もういいだろうと思ってもなかなか自分の思うようにはならず、まだ下がらな
いだろうと思っていると急に大きく下落しありするようなことも多いのです。
まだまだと見ているとするすると上がってきたり、もう底値だろうと思って買
いにでるとその水準から大きく下落したりします。保ち合い相場でもそういっ
たことは多く、まだ抜けないだろうと思っているとあっさりと抜けたりするも
ので、「もう」いいと思ったときでも頭の片隅に「まだ?」という気持ちをも
って売買をしてみるといいのではないかと思います。そうすると先ほど述べた
ように見切りも速く、損も限定的となってくるのではないでしょうか。


 毎日決まったところでの保ち合い相場となっていれば簡単に儲けることもで
きるのですが現実としてはそうなると保ち合い相場の上限で買う人がいなくな
り、下限では売る人がいなくなり、相場が成り立たなくなってきます。保ち合
いを上に放れると思った人が買い、保ち合いが続くと思った人が売ることで売
買が成立するのですが、その方向を間違えないようにしたいものです。



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